お悩みの内容(主訴)
部活動が屋外での活動で猛暑の中を走っている。
肌が真っ黒になるほど日焼けをして、帰宅後も体が暑い。
ベッドに入っても暑くて眠れず、そのうちイライラしてきてしまう。
水風呂などを試しているが、火照りが取れないため、ホルモンの影響ではないかと病院を受診したが相手にされず…。
西洋医学で改善できないならば、ということで漢方の話を聞きたいと思い来店した。
主訴以外の症状
・疲労倦怠感 ・話したくない(思春期の影響もあり?) ※そのほかは特になし
改善案
典型的な暑邪による不眠と考えました。
夏は気温が高く日差しも強い季節です。そのような季節は暑さによる邪気が盛んになると考えています。暑邪の特徴は「炎熱・開泄・消耗」になります。これはすなわち暑い日は「心身に熱の症状がみられるようになり、汗をかきやすくなり、気や津液(体液)を消耗しやすくなる」ということです。不眠の原因となるのは暑邪の特徴で心と体を熱する、すなわち興奮状態にすることです。
暑邪による不調は冒暑・中暑・暑風など様々な段階が考えられますが、【火照り・不眠】以外に不調がみられないため、冒暑の一種と考え、銀翹散を服用していただきました。銀翹散は一般的には風熱邪の処方になりますが、表熱を発散させるという意味で応用が可能と考えました。
また、夕食は夏野菜・豆腐などを中心にして、揚げ物や香辛料は一切NGとしました。食事の量も成長期とはいえ、食べ過ぎは胃熱を発生させるため、腹7分目としていただきました。
経過・予後
2週間後のカウンセリングですっかりと眠れるようになったとのことでした。
漢方薬は練習前、練習後、就寝前の3回服用していましたが、今は就寝前の1回でも効果を実感できるということです。
夏休み期間中のみ、漢方薬を服用し9月以降からは日差しも落ち着いて寝つけるようになったため休薬しました。
暑さは不眠の原因となります。特に日中、屋外で活動している人は暑邪にさらされる時間が長いため、心と体に熱がこもりやすくイライラ・不眠の原因となります。一見すると睡眠薬ではない漢方薬も原因を改善することで睡眠に良い影響を与えることがあります。夏の不眠に季節・体質の両面からアプローチして改善した良い例と言えるでしょう。