タバコはなぜ睡眠の質を低下させるのか漢方解説

タバコはなぜ睡眠の質を低下させるのか漢方解説

日本における喫煙者は男性がおよそ4人に1人、女性は13人に1人と言われています。
年々喫煙者は減少傾向にあるようですが、特に男性に関しては習慣的に喫煙している人も多いようです。

喫煙は睡眠の質にも悪影響を与える事をご存知でしょうか?
人生100年時代と言われる日本、高齢と共に眠りの問題に直面する人が増える事が想像される中で、喫煙は不眠を助長する懸念材料の一つです。
今回は喫煙と不眠の関係性について西洋医学・漢方の両面から書いてみたいと思います。

西洋医学における喫煙と不眠

西洋医学的に考えると喫煙は血中ニコチン量が増える事でアドレナリンの分泌量が増加し、交感神経が優位な状態になる事が分かっています。交感神経が優位になると血圧と心拍数が上昇し覚醒状態になります。そのため、寝室での喫煙や夕食後の喫煙は心身のリラックスを妨げてしまい、入眠困難や不眠の原因となります。

そんなことを書くと「タバコを吸うとリラックスできるよ?覚醒状態ではないでしょ?」と思う人も多いかもしれませんが、ニコチンは報酬系と呼ばれる神経回路に作用し、心地よさをもたらすため、リラックスした(ような)気分になると考えられます。しかしニコチンは交感神経に働きかけるため、リラックスしているようで体は興奮傾向になるという複雑な状態です。就寝前に興奮傾向になっては自然な入眠は難しくなってしまいます。多くの人が一度は禁煙を試みると思いますが、それを妨げるのがタバコの依存性です。ニコチンの離脱症状は渇望(喫煙したくて仕方ない)、食欲増進、不安感などが挙げられます。そのため、禁煙したくても何かと「喫煙しても良い理由」を自らに与えてしまい、なかなか禁煙を成功させることが難しいのです。

漢方における喫煙と不眠

漢方においてタバコとはどのような存在でしょうか。漢方においてタバコは陰を消耗するものと考えます。

陰陽学において
陰→静、下降、重い、潤い、夜、暗い、内向き
陽→動、上昇、軽い、乾く、昼、明るい、外向き
という特徴があると考えます。

夜の時間を陰陽で考えると陰の時間になります。そのため、夜は暗い部屋で落ち着き、クールダウンしていることが理想です。就寝前に喫煙し陰を失うとどうなるでしょうか?陰が不足することで相対的に陽が高まる状態になるので、心も体も活動状態となります。その結果、入眠困難や不眠を引き起こすと考えます。このように、西洋医学的にも漢方的にも就寝前の喫煙は睡眠の質を悪くすることは間違いないと言えるでしょう。

就寝前は補陰の漢方+喫煙以外の習慣を

質の良い睡眠をとるには夜は心身が落ち着いている状態が理想的です。習慣的に喫煙している人は陰が不足し陽に傾く傾向があるため、もし不眠の症状を感じるのであれば陰を補いつつ昂った陽を下げるような漢方薬を服用することが大切です。代表的な漢方薬には天王補心丹などが挙げられます。

また、陰を補う食材を積極的食べる事も大切です。
代表的な食材には

・白菜 ・小松菜 ・ほうれん草 ・大根 ・キュウリ ・トマト ・豆苗
・さといも    ・スイカ   ・パイナップル   ・レモン ・牛乳
・チーズ     ・梨
などが挙げられます。

また、火照りやイライラが強い場合は清熱作用のある食材を積極的に食べる事も大切です。
代表的な食材には

・青梗菜 ・アスパラガス ・ほうれん草 ・豆苗 ・オクラ ・キュウリ
・ナス  ・トマト    ・大根    ・ゴボウ・レンコン・タケノコ
・バナナ ・リンゴ    ・梨     ・イチゴ・パイナップル
・スイカ ・メロン    ・グレープフルーツ  ・いわし ・あさり
・しじみ ・蟹      ・わかめ   ・ひじき・牛乳  ・チーズ
などが挙げられます。

補陰の漢方薬を服用しつつ、清熱補陰の食材でたばこの睡眠への害を最小限にしましょう。

また、夜は喫煙以外の習慣を持つことも大切です。「なんとなく喫煙」を防ぐためにも読書やストレッチなど入眠の習慣となるルーティンを持ちましょう。

まとめ

タバコは睡眠の質を低下させます。しかし、その依存性からなかなか禁煙できない人が多いのも事実です。タバコを減らすことが大前提ですが、少しでも喫煙のダメージを減らすために漢方や食養生を取り入れる事は有益と考えます。たった1つの自分の体をどうか大切にしてください。

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