漢方でカラダの中から
バランスを整えて
良質な睡眠を
めざしましょう!
動物の中で人類は唯一『自分の意志で睡眠時間を削っている種族』ということをご存知でしょうか?
先進国に暮らす大人の2/3の人口が健康に過ごすための十分な睡眠時間を確保できず、睡眠不足はまさに『先進国の流行病』とも考えられます。
太古の昔より、ありとあらゆる生物はその命を守るために『進化』をしてきましたが、 無防備で外敵に襲われてしまうリスクが高い『睡眠』を失わないのは、睡眠には外敵に襲われる以上の価値があるからに違いありません。
特に日本は世界的に見ても睡眠不足人口が多く、睡眠時間が6時間未満の人は人口の4割を占めます。 平均睡眠時間にすると6時間27分で、先進国の中では最下位です。 不眠症は日本の国民病と言えるでしょう。
漢方における不眠の原因は様々あります。日々の生活の中で起こる情緒の乱れによる不眠、病気や心身の疲れからくる不眠、生理時の出血過多による不眠、年齢による不眠、季節の影響による不眠、ストレス過多による不眠、暴飲暴食による不眠、胃腸虚弱による不眠など様多種多様です。
不眠は単一の原因で起こることは珍しく、複数の原因が重なることが多いです。そのため、「不眠ならこの漢方薬」というシンプルな判断は難しく、専門家による漢方カウンセリングが重要となってきます。また不眠の原因が異なれば食養生や生活養生も変わってきます。漢方薬を服用するだけでなく、生活面からも質の良い睡眠をとれるよう改善していきます。
漢方では過度な感情の変化は不眠を起こすと考えます。特に『憂い・怒り・思い・悲しみ』は不眠を引き起こす感情です。
情緒の失調による不眠は一過性のものが多く、漢方薬による改善を必要としない場合が多いですが、長期にわたる場合・そのような感情になる状況にいる場合は漢方薬によるサポートも必要となります。
「疲れているのに眠れない」そんな人に多いタイプです。
脾が弱い事で気血を作る力が弱く、それゆえに心を養うことができず不眠になります。
などの特徴がみられます。
脾を丈夫にして心を養う血を作れるようにしましょう。
「布団に入っても手足が暑くて眠れない、寝汗もかいてしまう」そんな人に多いタイプです。
五臓の中の心と腎の関係が乱れてしまい(不交)、心火が亢進して精神活動が抑えられなくなり不眠になります。
などの特徴がみられます。
心火を抑え、腎水を補う事でバランスを整えていきましょう。
「ベッドに入ってもイライラして眠れない」そんな人に多いタイプです。
五臓の肝は自律神経を整える働きがありますが、デスクワークやストレス過多などにより肝の働きが乱れると五志の一つ「怒り」が出やすくなり不眠になります。
などの特徴がみられます。
肝の働きを良くして、穏やかな気持ちでベッドに入れるようにしましょう。
「たばこにお酒、脂っこいものが大好き」そんな人に多いタイプです。
飲食の不摂生で体内に不要な水分が停滞すると、粘り気のある痰へと変化します。痰が溜まっている状態が長期にわたると熱痰となり、不眠の原因になります。
などの特徴があります。
食生活・生活習慣、体をすっきりさせる漢方薬で睡眠を改善しましょう。
「食べ過ぎて横になると胃がムカムカして眠れない」そんな人に多いタイプです。
胃には食べ物を納め、消化し、下に降ろす働きがありますが、胃が弱っていたり、暴飲暴食をすると胃が正常に働かず、胃のムカつきなどを起こし不眠になります。
などの特徴があります。
夕食の内容・量を見直し、胃を元気にする漢方薬で睡眠を改善しましょう。
寝つきが悪い、眠れない、眠りが浅い、中途覚醒、ストレス、イライラ、いびき、歯ぎしり、自律神経、更年期、冷え症、頻尿など不眠の症状は様々ですが、その原因は一つとは限りません。専門家による漢方カウンセリングで不眠につながる心身の不調を改善していきましょう。
天明堂薬局店主。
国際中医専門員、薬剤師、薬膳コーディネーター、宇都宮市認知症サポーター。
現在まで約1,900件の漢方による不眠相談を受け多くの方の睡眠の悩みについてアドバイスを行っています。メディア出演や薬膳監修、講師としての活動も多数。
漢方と睡眠にまつわるお役立ち情報をお届けいたします。